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こだわると止まらないフランスパン。そろそろ止まりたい。

2017年02月04日

フランスパン、失敗の日々

  • フランスパン

フランスパンが家で作れるなんて素敵ですね。
私も初めはそのぐらいの気持ちでした。

レシピを見ながら作り始めると、生地はベタベタするし、伸びてくれないし、クープをおそるおそる入れても焼き上がりは線が入るだけだし、途中で何度悲鳴を上げそうになったことでしょうか。

次こそは、ということで何度もチャレンジしました。ところが、作業を見直しするどころか、ベタベタするから水を減らしたり、生地が伸びないから無理やりのばしたり、クープが開かないから深い切れ込みを入れてみたり、焼いてみると堅くて何がおいしいのかよくわからない物体を作り続けた時期もありました。

失敗の数々

何度も何度も失敗してきましたので、失敗画像のストックはだれにも負けないと自負しております。

  • 「だいたい」で作っているのがよく伝わります。「だいたい」で作っているのがよく伝わります。
  • 真面目にフランスパンに取り組み始めたころ真面目にフランスパンに取り組み始めたころ
  • 邪道な方法でごまかそうと必死になっていたころ邪道な方法でごまかそうと必死になっていたころ
  • 基本のレシピに忠実に作ろうと思ったのに撃沈したころ基本のレシピに忠実に作ろうと思ったのに撃沈したころ
  • 目指す方向が見えてきたころ目指す方向が見えてきたころ
  • 焼いても焼いてもなぜこうなってしまうか悩んでいたころ焼いても焼いてもなぜこうなってしまうか悩んでいたころ
  • 思い切ったクープの実験をしてしまったころ思い切ったクープの実験をしてしまったころ
  • 武骨な感じでむしろかっこいいんじゃないかと思ったころ武骨な感じでむしろかっこいいんじゃないかと思ったころ
  • フランスパンがどこかへ旅立ってしまいそうなころフランスパンがどこかへ旅立ってしまいそうなころ

フランスパンをフランスパンにするには

まずはレシピの材料をきっちりと量り、工程を省いたり忘れたりしなければパンとして味わえます。
フランスパンを作るときに気がついたことは次の内容です。

  • 「捏ねすぎない」というのは機械で捏ねる際の留意点です。手ごねの場合、グルテンが形成されるまできちんと捏ねてください。
  • パンチは軽めにします。発酵完了の生地を取り出し、折りたたむ程度のパンチで構いません。
  • ベンチは15分~20分、しっかりとります。ベンチが短いと生地が伸びないので成形がきれいにできません。
  • 生地が乾燥しないように、手粉や打ち粉はできるだけ少な目に。
  • 二次発酵は生地が1.5倍に膨らむまで、十分とります。
  • 出来るだけ高温で焼成します。レシピに「250℃」とあっても、300℃で焼けるオーブンの場合、300℃で焼いてください。ただし、焼き時間は少な目にします。(焼き色で調節してください)

なぜ失敗してしまうか

フランスパンを何度も失敗を繰り返してきた結果、今まで何か焦っていたことに気が付きました。「また失敗してしまうかもしれない」という緊張があったかもしれません。

フランスパンは、糖分が少なく(または入れないので)、モルトパウダーなどを使わないとイーストに栄養が送られません。従って発酵が比較的ゆっくりしています。
失敗の流れは以下のような感じです。

『一次発酵の時点で予定より時間がかかってしまうので焦り、
ベンチなんて短くても大差ないだろうと時間を短縮し(※1)、扱いにくい生地を早く形にしたいために打ち粉をたっぷりつけて成形し(※2)、二次発酵はいつも通り35分程度で切り上げ(※3)、クープを開きたいので弱めの温度設定で焼成し(※4)、見事失敗。』

※1 ベンチが短いと生地が伸びないので成形に影響します
※2 打ち粉を付け過ぎるとところどころ生地が乾燥し、ひび割れや爆発の原因になります
※3 十分二次発酵させないと、窯伸びし過ぎて変形したり、爆発の原因になります。
※4 温度が低いと分厚いクラストになり、クープが開きにくいです。

数回作っただけできれいなフランスパンが作れる方も居ると思いますが、失敗続きだからこそパン作りはやめられない、と思う今日この頃です。